6年ほど前、まだシンガポールにいた頃のこと。私は、何かに取り憑かれたように石鹸を作り続けた時代がある。いつもは気温の低い私だが、夢中になると、すごいパワーを発し、熱くなる事が稀にある。あの頃は、材料の苛性ソーダをシンガポールで手に入れる事ができず、近所の女子校の化学部に問い合わせまでして手に入れた劇薬が、この国ではスーパーマーケットで売っているではないか?!しかも、あの頃、オーガニック原料にこだわり、わざわざオーストラリアから油や、アロマオイルを取り寄せていた。友達に高値で買ってもらったり、オーガニックマーケットで店を出したりと、それなりにビジネス魂を燃やしてはいたものの、あまりに原材料にこだわり過ぎたため、採算が合わず、結局ビジネスには至らなかった。おそらくそれが原因で、それまでのパッションは日に日に冷めて行き、一年ほどの短いソープ人生は終わったのである。
オーストラリアに来て以来、仕事関係でうまくいかず、暇を持て余している私にはもってこいの趣味ではないか?!苛性ソーダも、油関係も、好きなように手に入るこの地で、ボケッとしている暇はない。実は、こちらに来て間も無くコールドプレスの石鹸を作ってみたのだが、なぜかうまくいかなかった。夫に大好評だったホットプレスの石鹸が、品薄になったので、また作ってみようという気になった。
色々ホットプレスのレシピをチェックしてみたが、手持ちの材料でできそうなものがなかったので、やはり基本に戻ってコールドプレス、王道のマルセイユ石鹸で行くことにした。今回は、オーストラリアクレイのピンクでマーブルにしてみよう。オーストラリアらしく、香りはユーカリとラベンダーで。やっぱり石鹸作りは楽しい。出来上がりまでに6週間ほどかかる。今回は失敗しないといいな。
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